会長挨拶
第52回緑化工学会web大会開催にあたって
緑化工学会会長 吉崎真司
第52回日本緑化工学会大会へご参加の皆様
公開シンポジウムへご参加の皆様
皆様こんにちは、日本緑化工学会会長の吉崎です。
日本緑化工学会が主催する、第52回千葉WEB大会並びに公開シンポジウムへご参加いただき、大変ありがとうございます。
日本緑化工学会は1989年5月に発足した学会で、緑の再生、創出、保護、管理等の研究を推進し、広く緑化技術の向上発展を図ることで、自然環境の保全、生態系の早期回復、生活環境の改善等に寄与することを目的として活動を行っています。
現在約600名の会員で構成され、斜面、都市、生態・環境、乾燥地、積雪寒冷地、緑・健康、生物多様性、海岸林・沿岸域の緑化研究を対象とする部会活動、年1回の学術大会、年4回の学会誌発行、英文誌LEEの共同刊行など、研究者と技術者が一体となって緑化技術に関する幅広い活動を行っています。
さて、このたびの大会は通算52回目となります。昨年9月の第51回大会において、学会副会長の千葉大学の高橋輝昌准教授を委員長とする大会実行委員会がスタートしたわけですが、新型コロナウイルス感染症は依然として先が見通せない状況が続いており、私たちを取り巻く環境は好転する気配もありません。当学会としてもこの状況に対応すべく2年続きとはなりますが「WEBでの開催」となりました。今回の大会においても研究者・技術者が一堂に集まりFace to Face で議論しあうといった従来型の大会が実現しなかったことは残念ではありますが、一方では多くの場面でWEB形式の会議やシンポジウムが開催され、遠くにいてもシンポジウムや会議に参加・出席できるといったメリットも感じております。今大会においても、昨年のWEB大会の経験を活かして、更にバージョンアップした大会になるものと期待しております。今大会の実現に向けてご尽力いただいた皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
本大会の公開シンポジウムのテーマは、「自然環境と健康な街づくり−疫学調査を用いた研究事例紹介−」です。グリーンインフラに期待される3つの役割、すなわち①防災・減災(気候変動緩和と適応)②環境保全(生態系保全と再生)③地域活性化(社会経済・文化・健康)のうちの③の視点からのシンポジウムと言えるでしょう。本シンポジウムでは、千葉大学の鈴木規道氏、東北大学大学院埴淵友哉氏、東京大学吉村有司氏、千葉大学花里真道氏、国土交通省秋山義典氏をお迎えしてご講演をいただき、予防医学の視点から緑化を取り入れた街づくりについて議論したいと考えております。コロナ禍の先が見えない中で、withコロナ、afterコロナ時代を見据えたテーマです。皆様の積極的な参加をお願い致します。
さて、今年は東日本大震災から10年目にあたります。海岸防災林や沿岸域の緑化による修復や再生のために植栽された木々が育ち、これから機能を発揮し始めるところです。8月9日のIPCCの報告によれば、今後2040年までに地球の平均気温は1.5℃上昇し、それに伴う気候変動により極端な気候現象が発生することが予測されております。今年の夏も西日本を中心に線状降水帯が発生し、過去の記録を越える降雨があり、各地で河川の氾濫や土砂災害が発生しています。このような状況の中で、「みどり」が持つ様々な機能を最大限発揮させるための緑化技術研究、そしてその成果を社会実装する際の社会との積極的な関わりが本学会に求められていると思います。
皆様、大会では、従来の論文・技術報告や研究交流発表は、昨年に引き続き「WEB掲示板討議」という形式で行われます。9月11日には公開シンポジウムが行われ、9月10日から12日にかけて7件の研究集会が行われております。積極的にご参加お願い致します。
最後に、学会員の皆様へのお願いです。
今年度の総会は、昨年と同様に、WEB会議という形式で開催させていただくことと致しますが、役員改選もありますので事前に学会ホームページに議案を提示させていただくこととしております。できるだけ多くの会員の皆様のご出席をお願い致します。
以上、ご挨拶とさせていただきます。それではどうぞよろしくお願い致します。